従来の鉄筋コンクリート造の梁貫通孔補強法では、貫通孔の直径を1/3以下とするのが望ましいとされているため、基礎梁に直径600㎜程度の点検用人通口を設ける場合には､1,800㎜以上の梁せいが必要となります。これに対して､本技術は貫通孔の直径を､梁せいの1/3倍を超え1/2.5倍以下まで拡大させることで､直径600㎜程度の開孔を設ける梁のせいを1,500㎜以上とすることが出来るため、建材の使用量や掘削土量の減少などによりコストの削減が可能となります。また、貫通孔の補強に既製の高強度開孔補強金物「ダイヤレンNS」を用いることで、施工品質の確保や配筋簡素化も考慮した工法となっています。

EXダイヤレン工法は、コーリョー建販が製造する「ダイヤレンNS」と大開孔周りの孔際補強筋、水平補強筋および、開孔上下補強筋を規定量以上配筋することにより、従来の制限である梁せいの1/3倍を超え、梁せいの1/2.5倍までの大開孔を設けても、有害なひび割れの発生の抑制と十分な耐力を確保できる工法です。

【部材】
●鉄筋コンクリート造の基礎梁及び基礎小梁(ただし、建築メカニズム時に降伏ヒンジを計画しないもの)
●梁幅(b):300㎜≦b
●梁せい(D):750㎜≦D<2250㎜
●内法長さと梁せいの比(L0/D):L₀/D≧3.0

【使用材料】
●コンクリート
種類:普通コンクリート
設計基準強度(Fc):24N/㎟≦Fc≦60N/㎟
●主筋
鋼種:基準強度295N/㎟～490N/㎟のJIS鉄筋、大臣認定品
●一般部せん断補強筋、孔際補強筋、開口上下補強筋および水平補強筋鋼種:基準強度295N/㎟～390N/㎟のJIS鉄筋
●開口補強金物:ダイヤレンNS(2重リングとする)
呼び径:6㎜～16㎜
鋼種:785N/㎟級の大臣認定品

●大開孔(H:開孔外径):250㎜<H≦750㎜かつ1/3<H/D≦1/2.5
●開孔形状:円形とし、円形に包容される矩形を含む
●開孔芯位置(Lh):Lh≧0.9D+H/2
●開孔上下の縁あき距離(Hc1,Hc2):Hc1,Hc2≧0.3D
●開口設置個数:大開孔は同一の梁に1個までとする
●小開孔(H':開孔外径):≦312.5㎜かつH’≦D/6とし､ダイヤレンもしくはダイヤレンNSの認定工法により補強する


※ 本工法は、清水建設株式会社、鹿島建設株式会社、株式会社鴻池組、株式会社錢高組とコーリョー建販が共同で開発しました。